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タイトル

水屋の鬼の付け替え修理

古くなって破損した鬼等あり、不揃いになった鬼を付け替えました

伊勢崎市 八坂神社様

屋根の一番高い部分にある棟を大棟。この大棟と垂直に交じわって軒先に向かって伸びている4本の棟を下り棟と言い、それぞれ1個ずつ鬼が付いています。
八坂神社様の水屋も修理を繰り返すうちに下り棟の4つの鬼が不揃いになってしまいました。
そこで、今回は既存の鬼をできるだけ使いつつも表面の2つと裏面の2つは、それぞれ揃っている鬼を使って修理することになりました。

今回の工事のポイント

ご要望タイトル画像お客様はこの様にお考えでした

1出来るだけ既存の鬼を使って、これまでの趣を残したい

これまで使ってあった鬼は全て手作り。現代では入手が不可能に近いものばかりです。修理の際には様々な要因が絡んでくるので古い鬼を全て使うことはできませんでしたが、可能な限り古いを使う様に配慮しました。

2破損したものもあり、新しい鬼に交換することが必要だと思いますが、不揃いな印象にならないよう配慮してほしい

こちらの水屋の屋根は表面と裏面の2つの屋根に分かれています。2面を同時に見ることはないので、新しい鬼を使う面と古い鬼を使う面に分けることで不揃いな印象を避けることを配慮しました。

工事完了後の屋根です

水屋の表面と裏面の、両面の修理をしましたが、こちらの面は古い鬼で揃えて鬼を付けました。

修理前の水屋の鬼
修理前の水屋の鬼

向かって左側の鬼は下に落ちてしまったので、棟の一部が崩れてしまいました。
向けって右側の鬼は問題がありません。

修理後の水屋の鬼
修理後の水屋の鬼

向かって左側の鬼のみ付け替えました。
これまでの趣どおりに仕上げることが出来ました。

八坂神社の水屋の鬼付替え修理。 既存の鬼を使う面の屋根の修理作業です。

葺き替え工事のポイント

鬼が落ちてしまった棟の修理前の状態です

修理前の状態の画像

鬼が付いている状態の時は鬼が棟を支えているのですが、鬼が落下してしまったために棟が崩れてしまいました。

通常、棟は一番上の3段が針金で一まとめに緊結してあり、八坂神社の場合も同様の工事がしてあるため屋根の下まで落下せずに屋根の上に乗ったままになっています。

元々、この工事方法は台風などの際の強風対策に始められたものです。
3段分の棟瓦が針金で一まとめに緊結されていれば重量が3倍になるので、耐風圧力も3倍になります。

神社の棟の修理で、どこまで既存部分を残すかということ

既存の状態で残すことのできない部分を全て取り去った状態の画像

既存の状態で残すことのできない部分を全て取り去った状態です

棟の修理の際にどこまで既存の部分を残すかの判断は正直なところ非常に難しいです。

修理が必要になるまでには新築時からかなりの年数が経過していることが多く、1本の棟を全て積み替えるのが理想です。

しかしながら、予算の関係でそこまでの規模の修理を望めない場合が多く、このような場合には以下のような基準を設けています。

強度面から残すことが可能か否か: 固定材として使われている泥などの状態を見て判断します。

仕事の精度面から残すことが可能か否か: 残すことで雨漏りの原因になったりしなしかどうかを判断します。

神社の鬼付け修理の際に気を付けること

神社の鬼付けの画像

神社の建物の屋根は総じて勾配が急なことが多いです。
従って鬼が棟全体の重量をより多く背負うことになるので、鬼を固定する銅線の本数や太さは気を付けることの1つです。

八坂神社の水屋は通常の神社よりも勾配が急でしたので、太い(2.0mmφ)銅線2本で鬼を固定しました。

これは、私たちがお寺の本堂で鬼を固定する際の仕様と同じです。

八坂神社水屋の鬼の付替えが、1か所完了です

完成した神社の鬼付けの画像

神社の建物の屋根は総じて勾配が急なことが多いです。
従って鬼が棟全体の重量をより多く背負うことになるので、鬼を固定する銅線の本数や太さは気を付けることの1つです。

八坂神社の水屋は通常の神社よりも勾配が急でしたので、太い(2.0mmφ)銅線2本で鬼を固定しました。

これは、私たちがお寺の本堂で鬼を固定する際の仕様と同じです。

工事完了後の屋根です

こちらの面は新しい鬼で揃えて鬼を付けました。

修理前の水屋の鬼
修理前の水屋の鬼

向かって左側の鬼は右半分が割れて、ぶら下がった状態でした。
向けって右側の鬼は問題がありません。

修理後の水屋の鬼
修理後の水屋の鬼

向かって左側の鬼は新しい鬼と交換しました。
古い鬼と新しい鬼は型が違うため、右側の鬼も新しい鬼と交換することになりました。

八坂神社の水屋の鬼付替え修理。 こちらの面は新しい鬼を使っての修理作業となりました。

葺き替え工事のポイント

修理が必要となった鬼の修理前の状態です

修理が必要となった鬼の修理前の状態の画像

私も初めての経験なのですが、鬼が2つに割れてしまいました。
掲載画像で本来見ることのできない鬼の背面が見えているので鬼が割れてしまっているのがお分かりいただけると思います。

この状態では既存の鬼を修復して使うことは不可能なので新しい鬼と交換するすることになりました。

新しい鬼を付ける準備をします

新しい鬼を付ける準備の画像

古くなって傷んでしまった部分などを撤去しました。

これまで使ってあった鬼と新しい鬼は高さが若干違うので、鬼を付ける際に使う台の高さを調整して、修理前と仕上がりの高さが同じようになるように配慮します。

赤丸を付けたのが台に使用した棟瓦です。南蛮漆喰を使用して高さを調整しています。
高さを調整する際には鬼の高さ寸法と棟瓦の合計の厚さの合計寸法を比較して決定しています。

新しい鬼を付けました

新しい鬼を付けた画像

鬼を付ける際には、鬼を固定する針金が緩まず、ピンと張った状態で縛れるように注意しています。
緩んだ状態で棟を積んでしまうと、鬼が傾いてしまうため注意が必要だと思います。

鬼を付ける際の角度は、棟の1段目を水平と仮定すると、90度よりも若干小さい角度で鬼を付けています。
若干専門的になってしまいますが、理由は2段目、3段目と棟を積んで行くに従って、鬼際の棟瓦を浮かし気味にして鬼際を高くして行くためです。

この為、鬼を90度で付けてしまうと棟が仕上がった時に鬼が垂直に付いているように見えません。

神社の建物で鬼を付ける角度
神社の建物で鬼を付ける角度の画像

鬼を付ける角度は、この水屋で既存のまま残す棟の状態も確認しています。
なるべく、既存のまま残す棟と同じ状態で修理できた方が全体のバランスが良いからです。

これまでの鬼も私たちと、ほぼ同じ角度で鬼が付いていた為、私たちの従来どおりの施工方法で作業を進めさせていただきました。

八坂神社水屋の棟に新しい鬼が付け終わりました

新しい鬼を付ける準備の画像

鬼が2つに割れてしまうという出来事の原因は、昔の鬼で焼きが甘いことなど複数を要因は考えられるのですが、数年前の大雪なども要因の一つとして挙げることができるのではないかと考えました。

これまで使ってあった鬼は横幅が広い鬼で、屋根の上に積もった雪の重量が掛かりやすい形状でした。
そこで、今回使った鬼はこれまでよりも横幅が狭いものを使用することで少しでも積雪の際の重量を軽減する対策としました。

こちらの面のもう1つの鬼も同じ鬼を付けて一体感を持たせることで修理を終了しました。

工期、予算(費用・価格)等のまとめ

工事の内容

3か所の鬼を付替えましたが、それに伴い棟を3本積み替えました。
下り棟3か所の鬼を付替えました。
4つの鬼のうち、既存の物2つは修理に使うことができたましたが、2つは新しいものと交換しました。

工期、工事費用等の内容

工期
1日
費用
5~10万

 

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