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私たちは、途中で仕事を投げ出すことは決してありません。

屋根の修理は、必ずしも簡単に解決できるものばかりではありません。特に雨漏りは、原因の特定が難しいケースもあります。

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しかし、原因が分かりにくい場合でも、さまざまな角度から状況を分析し、一つひとつ可能性を検証しながら解決策を探ります。

そして何より、お客様と一緒に最後まで諦めず、問題の解決に取り組み続けます。

「直るまで諦めない。」

それが私たちの仕事に対する姿勢です。

1 和瓦(日本瓦)ならではの雨漏り
和瓦の画像
2 原因が複数か所にわたる場合
樋の画像
3 築百数十年の土葺き瓦の部分修理

和瓦(日本瓦の施工写真)

修理のご依頼をいただき現地を確認すると、天井から柱にかけて雨水が流れた跡が残っていました。
お客様のお話では、普段の雨では問題ありませんが、大雨の時だけ雨漏りが発生するとのことでした。

早速、雨漏り箇所の真上にあたる屋根を点検しました。
しかし、その場所は瓦の平部で、本来であれば雨漏りが起こりにくい箇所です。
そのため、お客様はこれまでにも何度か雨漏り修理を依頼されていましたが、原因を特定できず、雨漏りが繰り返されていたそうです。

該当箇所を詳しく調べると、上下の瓦の重なり部分が大きく開いている箇所が見つかりました。

現在の瓦は製品精度が高いため、このような状態になることはほとんどありません。
しかし、この屋根が施工された数十年前は、瓦の寸法のばらつきを職人が一枚一枚加工しながら調整するのが一般的でした。

丁寧な施工であれば、この加工によって瓦の狂いを解消します。
しかし、今回の屋根では、その調整が十分に行われていなかったと考えられます。

さらに瓦をめくって確認すると、その直下の屋根下地(ルーフィング)に穴が開いていました。
瓦の重なりから入り込んだ雨水が、この穴を通って室内へ漏水していたことが、雨漏りの原因だったのです。

掲載している写真を見ると、瓦は左右で少しずつ重なりながら施工されていることが分かります。(36mm程度)

この構造では、瓦が左側へ傾いていても雨漏りすることはほとんどありません。
しかし、右側へ大きく傾いてしまうと、上下の瓦の隙間から雨水が入り込みやすくなります。

つまり、今回の雨漏りは、瓦が右側へ大きく傾いていたことにより、重なり部分から雨水が侵入して発生していたのです。

そこで、瓦を適切に加工して傾きを修正し、雨水が瓦の中央付近を流れるように調整しました。
さらに、念のため屋根下地に開いていた穴はシリコンで補修し、再発防止の処置も行いました。

和瓦の屋根では、雨水を左右の中央付近へ自然に流すことが重要です。

瓦の向きや重なりを適切に調整することで、雨水は安全に流れ、雨漏りを防ぐことができます。

一見するとわずかなズレに見えても、その違いが大雨の際には大きな雨漏りにつながることがあります。
だからこそ、私たちは瓦一枚一枚の納まりを丁寧に確認し、原因を見極めたうえで最適な修理を行っています。

隅棟と桟瓦の取り合い部分

今回のお客様は、「築後10年ほど経ってから雨漏りするようになった」とのご相談でお伺いしました。

現場を確認すると、雨漏り箇所の少し上にある棟で、のし瓦と桟瓦が接している箇所を発見しました。上の写真のような状態です。

この写真ではわずかに隙間がありますが、ここが完全に接してしまうと雨漏りの原因になります。

その理由は、棟ののし瓦の下面を伝ってきた雨水が、山瓦の丸み(R形状)の部分に沿って流れ、最終的に漆喰の隙間から棟内部へ侵入してしまうためです。

これは瓦屋根では比較的よく見られる典型的な雨漏りでしたので、棟を積み直して修理を行い、一旦工事は完了しました。

しかし、約半年後、お客様から再びご連絡をいただきました。

「以前より雨漏りの量は大幅に減ったものの、強い雨のときにはまだ雨漏りすることがある」とのことでした。

再度現場を詳しく調査しましたが、前回のような典型的な雨漏りの形跡はまったく見当たりません。屋根を点検しても、原因となる箇所は特定できませんでした。

そこで、雨漏り箇所付近の瓦をめくり、さらに屋根下地まで開いて内部を詳しく調査しました。

屋根裏側からも確認しましたが、それでも雨漏りの原因は見つかりませんでした。

次に、散水試験を行って雨漏りの再現を試みました。

確かに室内では雨漏りが再現しましたが、屋根のどこから水が侵入しているのかは最後まで特定できませんでした。

散水試験でも決定的な原因は見つからず、この時点では調査はいったん終了しました。

その後、現場を改めて確認したところ、雨漏り箇所がちょうど1階屋根と外壁、そして雨樋が接する部分であることに気付きました。

そこで雨樋を一度取り外し、外壁との取り合いを詳しく調査したところ、本来塗装されているはずのリシン仕上げが雨樋の裏側だけ塗り残されていることを発見しました。

この未施工部分から雨水が外壁内部へ浸入し、室内まで流れていたのです。

塗り残されていた部分を適切に補修し、雨樋を元通り取り付け直したところ、雨漏りは完全に止まりました。

雨漏りは、最初に見つかった原因だけがすべてとは限りません。

今回のように、典型的な雨漏りを修理した後でも別の原因が隠れていることがあります。
私たちは「直ったはず」と決めつけることなく、原因が分かるまで調査を続け、本当の原因を見つけ出すことを大切にしています。
そうした積み重ねが、再発しない雨漏り修理につながると考えています。

土葺きの屋根

このご相談は、ご住職からのお電話がきっかけでした。

現場は築百数十年を経たお寺の屋根で、昔ながらの土葺き工法による瓦屋根でした。

現在の瓦屋根は、桟木に瓦を引っ掛け、さらに釘やビスで固定する工法が一般的です。
しかし、昔の土葺き屋根は施工方法が大きく異なります。

瓦には現在のような引っ掛け部分がなく、下地の葺き土で高さを調整しながら施工します。
そして軒先の唐草瓦などを釘で固定し、その瓦が屋根全体を支える構造になっています。

関東大震災以前の日本では、この土葺き工法が一般的で、多くの瓦屋根がこの方法で施工されていました。

土葺き屋根は、葺き土を多く使用するため、屋根内部に厚い空気層ができます。

そのため夏の強い日差しを和らげる断熱効果があり、日本の気候には非常に適した工法です。

一方で、瓦を現在のように一枚一枚固定しているわけではないため、長い年月の間に瓦全体が少しずつ軒先方向へずれてしまうという欠点があります。

このずれが進行すると、大きな地震では瓦が崩れやすくなり、雨漏りの原因にもつながります。

実際に点検すると、縦の通りは大きく蛇行し、横の列も本来一直線に並ぶはずの瓦が大きく乱れていました。

小さなずれであれば一寸(約3cm)や二寸(約6cm)程度ですが、大きい箇所では一枚あたり四寸(約12cm)以上もずれている瓦が見られました。

これほどずれてしまうと、瓦同士の重なりが一定ではなくなります。

重なりが十分にある部分もあれば、ほとんど重なっていない部分もあり、場所によっては下地の葺き土が露出していました。

そこで修理では、次の三点を重点的に行いました。
・縦の通りを真っすぐに揃えること
・横の通りを真っすぐに揃えること
・極端に傾いている瓦を、雨水が瓦の中央付近を流れる状態に調整すること

和瓦の正面画像

特に三つ目の作業は、土葺き屋根の修理の中でも最も難しい工程です。

前の事例でもご紹介したように、和瓦は左側へ傾いていても雨漏りすることはほとんどありません。
しかし、右側へ大きく傾くと、瓦同士の重なりが不足し、その隙間から雨水が入り込んでしまいます。

そのため、瓦一枚一枚を丁寧に加工し、さらに葺き土の量や形を細かく調整することで、雨水が自然に瓦の中央付近を流れるように修正していきます。

この「雨を中央へ流す」ことこそ、和瓦を施工するうえで最も難しく、職人の経験と技術が問われる部分といえます。

さらに、崩れてしまった葺き泥は一か所ずつ復元しながら、瓦を丁寧に葺き直しました。

雨漏りの原因は一部でも、修理は屋根全体を見て行います

屋根全体を見ると非常に大きな面積ですが、実際に雨漏りの原因となっている箇所は、その中のほんの一部です。

そのため、屋根全体をよく観察しながら瓦の通りや重なりを一枚ずつ修正していけば、葺き替えを行わなくても、雨漏りを止め、美しい屋根を取り戻すことができます。

現在では、このような土葺き屋根を前にすると、多くの業者は「全面葺き替え」を提案することが少なくありません。

もちろん、屋根の状態によっては葺き替えが最善の選択となる場合もあります。
しかし、「古い屋根だから葺き替えしかない」というわけではありません。

土葺き屋根の修理は、非常に手間がかかり、高度な経験と技術が求められます。
そのため、一般的なリフォーム会社では対応が難しい工事です。

土葺き屋根の修理は、非常に手間がかかり、高度な経験と技術が求められます。そのため、一般的なリフォーム会社では対応が難しい工事です。

必要な部分だけを適切に修理し、本来の瓦の重なりと美しい通りを取り戻すことで、歴史ある屋根をこれからも長く守り続けることができると考えています。

 

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